内申点の取れる提出物の書き方
今回は、愛知県公立中学校に行っている子たちの多くが苦労しやすい「内申点」についてです。
愛知県は、公立王国ともいわれるくらい公立高校志向が多い県です。しかし、その競争はなかなかに熾烈で、入試での点数110点(5教科合計)と内申点(9教科合計45)を合わせた数字で子ども達は選抜されるのですが、いわゆる進学校と言われる学校はほぼすべて入試での点数×2+内申点×2の合計点で合否判定が出ます。
220点+90点=310点満点ということですね。愛知県公立高校受験の入試問題難度はそれほど高くなく、進学校の中でも上位の旭丘、明和、向陽、一宮、刈谷高校では、受験生は平均1教科20点くらい(22点満点)は取ります。
つまり、入試当日の得点ではあまり差がでません。そうなると、最初の持ち点である内申点が大きなウエイトを占めてくる、という訳です。
倍率をみても多くは2倍程度で収まる学校がほとんどです。
でもこれは、すでに入試前に内申点による「選抜」がされて、残った受験生の倍率ということになるのです。内申点が思うように取れていない子は入試前に選別されてしまうのです。なんだか不公平な気もしますが、こればっかりは仕方ありません。
ですから、今回は内申点をどうしても取りたいという生徒にある特定のジャンルに絞って取り方をお伝えするものです。とても面倒臭いのですが、やる価値はあります。なんとしても取りたい人はぜひ最後までご覧ください。
今回お伝えするジャンルは、「提出物」です。内申点3項目について説明しているブログはたくさんあると思いますが、敢えてそれ以外でいこうと思います。
といっても一応、知識として評価3項目は知っておかないといけませんから、簡単にご説明だけいたします。
①知識・技能 ②思考・判断・表現 ③主体的に学習に取り組む態度 の3つです。
「5」を取ろうとすると、この3つの項目全てで評価Aをとらなければいけません。
項目ごとに内容を紹介します。
知識・技能
主にテストの点で評価。
思考・判断・表現
一部テストの点で評価。
知識を正しく論理的にわかりやすく根拠を以って他人に伝えられるか、が基準。
主体的に学習に取り組む態度
率先して調べており、試行錯誤して結論を導き出しているか
他の人が思いつかない着眼点があるか
習った知識を他にも応用しているか
新たな疑問を持っているか
例えば、定期試験で高得点を取っているが、実験に真面目に取り組んでいなかったり、実験レポートに「難しかった」「よくわかった」程度しか考察を書いておらず、授業でも学校ワークの提出日が遅れたり、式を書かなくてはならなのに答えだけをノートに書き込んで提出していたりする場合です。
この場合、例えばですが、知識・技能でAを取っていても思考・判断・表現でB、主体的に学習に取り組む態度でCとなってしまうことがあります。
こうなると、いくらテストの点が良くとも内申点は「3」がつく可能性が大きいのです。
では、上記を踏まえてここからは提出物についてお伝えしていきます。
①【理科実験・観察】

実験の様子や植物、細胞の図などを観察して描き写し提出することがあります。このときに、リアルに描くために影をつけたり、複数の線で描いたりするのは厳禁です。1本の線で、現物に忠実に描きましょう。「上手さ」は問われません。「正確さ」が評価基準です。絵が下手でも構いません。ちなみに上の図では、左が評価Bで右が評価Aのスケッチです。丁寧に描けば誰でもA評価(学校によって違いますが一番上の評価です)がもらえます。ちゃんと心をこめて描きましょう。
顕微鏡などを使うときは正しい倍率で見ることも大切です。また、倍率は必ず書いておきましょう。なんでもそうですが、記録するときはそのときの状況を書き留めておくことが必須です。授業で学校の先生が言った注意事項も書き留めておくことは大きなポイントとなります。
②【副教科鑑賞】
作品の鑑賞についてです。今回は美術ですが、技術や音楽でも基本の考え方は同じです。
こういうものをあきらめる生徒が非常に多いです。しかし、ルールがありますので、それに則って書けばそれほど怖いものではありません。まずは下の図をご覧ください。

このふたつを見て鑑賞する場合について、実際にケーススタディしてみましょう。もちろん、こういったプロの人が描いた(作った)ものではなく、クラスの子達が描いた(作った)ものを鑑賞する場合もありますが、基本は同じです。必要なものは、「特徴と比較、感想」です。その作品がどんな特徴を持っていて、他のものと比べてどう違うのかを具体的に書くことです。例えば、松林図屏風の鑑賞を例示しましょう。
「特徴: 白黒で書かれている。墨の濃い薄いで遠近感を出している。木の幹部分が空白になっていることで霧を表現しており、空白が多いことで霧深く、幻想的な雰囲気を出している。シンメトリーの構図ではない。」
「ミッデルニルハスの並木道と比較してみて: どちらも身近な風景を描いているのに表現の仕方が全く違うことに驚いた。西洋の作品は、ありのままの風景を切り取ったように描かれているが、日本の作品は空白と墨の濃さを使って遠近感を出し、見る人に、空白の部分にも木があるように想像をさせている。表現し尽くさないという日本人の美の感覚がとても洗練されていてすごいと思った。茶わんやお皿のデザインでも西洋と日本で同じように違いがあるのか興味がわいたので調べてみたい。」
特徴では、なんとなくではなくきちんと学習した内容を盛り込み、具体的に書くことがポイントです。比較した内容は、思わず「すごい」「面白い」で片づけてしまいそうですが、書こうと思えばいくらでも書けるものです。比較したときに何が違うか、なぜそこが違うのかを調べたり、自分なりのたとえを使ったりして書けば良いのです。
感想も入れるとよいです。ただし、「楽しかった」などではなく、今後どのような学びをしたいかということを基準に書くのが王道です。ちなみに、実験レポートであれば、失敗したらその原因を特定して対策まで考えること、成功したらなぜうまくいったのかどういうところに注意したから失敗しなかった、などの具体的な対策などを記すと非常に良いレポートになります。もちろん、どうしても納得のいかない部分やいくら考えてもわからない部分を素直に書き記すのもよいでしょう。
③【数学(教科書の副教材、ワークなど)提出物】
小テストやノート、ワーク提出がある場合、それで評価が大きく変わります。わかりやすく、丁寧に途中式を書くことはもちろん、そこにいろいろ書き込む工夫が必要です。下の例をごらんください。

忘れやすいところにはチェックを入れて「とても大事!」など書いておくと、自分も忘れないし、チェックする人にもやる気や細かいところまで気にして勉強しているのが伝わります。自分で考えたことは後々自分で見直すことも考えて気づいたときに書き込んでおくと良いです。たとえ間違った考え方をしていたとしてもそれに気づくことで、自分が成長していることが実感できます。
ただし、これらはスペースを使うため、できれば大きめの付箋に書き込んで貼り付けるのがよいでしょう。
あとは、当然ですが「間違いなおし」です。間違えたものに✕をして赤ペンで模範解答の式や答えを書き込むのは自分のためにも内申点のためにもなりません。ちゃんと理解してやっていればまだ良いですが、そうでない場合、時間と手間をかけて赤ペンインクを消費するむなしい行為となってしまいます。
これらのことはたしかにとても面倒です。でも、だからこそ日常的にやっておけばそれほど苦になるレベルではないはずです。そしてそのことは確実に自分の血となり肉となります。
この内容が少しでも志望校を目指す子どもの一助となれば幸いです。
