●選択肢問題を攻略することが記述問題対策にもなる
国語の入試では中学、高校、大学のすべてで選択肢問題が多く出題されます。大学の共通テスト、愛知県公立高校の入試、2025年度4月開校の公立中高一貫校の適性検査は、すべてマークシート形式のため、全問選択肢問題です。
ですから、選択肢問題を正確に解くことこそ合格への最短の道といえるでしょう。
そして、選択肢問題は記述問題に比べて簡単なイメージではないでしょうか。
「よし!楽に行けるかも」と思った方もいるかもしれません。
そんなに甘くありません(笑)。世の中の国語苦手男子・女子は、まず、選択肢問題がちゃんと解けていないことがほとんどなのです。
選択肢問題こそ、実は設問や問題文を正確に読み解き、理解しなければ正解にたどり着くことができないものです。ですから、「直感で解く」「消去法で間違えている選択肢を省く」などの解き方ではなく、きちんと選択肢と問題文とをマッチングさせて解く方法を身につけていくことが大切です。
そして、そのマッチングを丁寧かつスピーディに行う練習こそが、そのまま記述問題の対策にもなるのです。
なぜマッチングが記述問題の対策になるのかは後ほどお伝えします。
まずは、選択肢問題のマッチングについて重要なポイントを挙げましょう。
① 設問→問題文→選択肢の順番で読む
② 問題文の構成を把握する
③ 選択肢を小分けにして問題文と照らし合わせる
①設問→問題文→選択肢の順番で読む
国語読解問題の丸付け・添削をしていると、選択問題において正解を出すときに、2つまでは絞り込めているけれど、最後の段階で間違いの方を選んでしまっているというパターンが多いことに気付きます。
もちろんこれは、正確に問題文の内容が把握できていないことが一番の理由ですが、最初から最後まで消去法で解いていることが原因として考えられます。それで正解できたとしても、「なぜこの選択肢が正しいのか」の理由がわからないまま先に進むことになります。本来、問題文の内容と一致する選択肢を選ぶわけですから、「なぜその選択肢が正しいのか」を理解できていなければ正確に解いたことにはなりません。つまり、問題の本質を捉えずに国語の勉強を進めていて、たまたまその問題が正解できただけ、なのです。
もちろん短い試験時間の中で解くので、そういうことがあっても良いと個人的には思います。
しかし、日常の読解訓練で消去法ばかりをしていると、「正しいものをすべて選びなさい」という選択肢問題に当たったときに、正解できなくなります。何より、「説明しなさい」という記述問題に対応ができません。
話をもとに戻します。
選択肢問題を丁寧に解くコツ、それは、①でポイントとして挙げた、設問→問題文→選択肢の順番で読むことです。
選択肢の設問は、大雑把にいうと
① 傍線部を説明する設問
「〜とあるが、どういうことか」「〜とあるが、どういう意味か」を説明する問題
② 傍線部の理由を説明する設問
「〜とあるが、なぜなのか」を説明する問題
の2つに大別されます。
ですから、先に設問を読んでこの二つを意識しながら問題文を読めば良いのです。
このとき、選択肢は見ない方が良いです。そちらに意識がいくと、問題文の把握に支障が出ます。
②問題文の構成を把握する
次に、一番大事な問題文の理解です。これができていなければすべて成り立ちません。
ですから、選択肢問題に限らずここが1番の肝となることを忘れないでください。
さて、先ほど傍線部の説明もしくは理由を意識して問題文を読む、と書きました。
そのときに最も必要なのは、「文章の型を知ること」と「要約力」です。
文章の型は論説文であれば決まっています。詳しくは別のブログでお伝えしますが、多くは
抽象的な主張→具体例→抽象的な主張→具体例→…のような型をとっています。
筆者は文章を読む人に、わかりやすく、かつ具体例も交えて、さらに、想定される反対意見も出しながら主張を伝えなくてはなりません。わかりにくければ誰も読んでくれません。
当然です。
お金をもらって文章を書いているわけですから、わかりにくい文章を書いていれば、誰もその人に文章を書いてほしいと依頼はしませんよね(笑)。
この型をもとにして、意味段落に分けていき、どのようなことを伝えているかを把握するのです。③の「選択肢を小分けにして問題文と照らし合わせる」を正確にできるようになるのです。
そのためには、要約力が必要です。どんなことが書いてあるか、大事なポイントはどこかを見定める力が必要なのです。
だから、当塾では「100字要約」を懇切丁寧に指導していき、自学ではなかなか身についたかどうか判断しにくい要約力を鍛えます。これも型があり、論説文と通じるところがあります。主張と例をきちんと選り分けて把握し、無駄な部分を取り除いて大切な部分だけを記述しないといけません。つまり、選択肢問題の対策を行うことで、要約力が高まります。要約力が高まれば、文章の核となる部分とそれ以外の部分の見極めができるようになり、記述もしやすくなるのです。
③選択肢を小分けにして問題文と照らし合わせる
最後に、具体的なテクニックです。あくまでテクニックなので、本質的に大切なのは問題文の理解です。そこを忘れないようにしましょう。
小分け、というのは文字通り細かく分けることですが、厳密に決まっているわけではありません。ここでは意味ごとに分けるのが良いでしょう。例えば、選択肢の一つに
ア 世界の海では、50兆個以上のプラスチックが世界の海を漂っており、それらを海鳥、魚、ウミガメ、クジラなどが摂取し、食物連鎖によってダメージが広がっていく。
とあったら、
ア 「世界の海では、50兆個以上のプラスチックが世界の海を漂っており」
「それらを海鳥、魚、ウミガメ、クジラなどが摂取し」
「食物連鎖によってダメージが広がっていく」
というように意味ごとに分けてそれぞれの部分を問題文と照らし合わせます。部分ごとに、書いてあることと同じである、言葉は違うが同じ意味を言っている、もしくは一部違うことが書いてある、というようにマッチングさせていくことで選択肢の正誤を決めます。
これらを長い時間かけてじっくりとたくさんの文章に触れさせ、理解させて問題を解かせていきます。解くときも、つい癖で「ダメっぽい」とか「なんとなく正しい」と判断するのではなく、丁寧に正確にマッチングしていく練習も行います。
