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見るだけ勉強は時間の無駄?国語専門塾が伝える、RASによる「手を使う」語彙力アップの科学【愛知県日進市香久山の国語専門個別指導塾】

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今回は、国語(現代文)における学習で最も大事な一つである語彙力について書き留めたいと思います。
対象は、小学6年生以上になります。

小学生中低学年は別のブログでお伝えしておりますので、よろしければそちらをご覧ください。
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賢い子に育てる「最高の読み聞かせ~上級編~」【愛知県日進市香久山の国語専門個別指導塾】 - 修英塾 日進校

修英塾でも、小学生から高校生まで指導を行っていますが、国語(現代文)が不得意な子の共通点として語彙力不足が挙げられます。
で、これまた困ったことに多くの子が同じ覚え方をするんです。

それは、何度も読むという方法。
子ども達に「どうやって覚えたの?」と聞くと、「何度も読んだ」と誇らしげに言うのです。
ちょっと待って…💦見るだけで覚えられるの?
そんなことができるなら、塾で学習する必要なくない?
とかいろいろ考えてしまいます。
残念ながらこの方法、もっとも楽でコスパがよさそうに見えるのですが、はっきり言うと最悪の学習法です。

最近は東大生というブランドがSNSで多いに需要があるせいか、様々なシーンで見かけます。で、多分に漏れず私が眺めるSNSでも東大生が発信する勉強の仕方の動画コンテンツがたくさん流れてきます。
結構面白いので掘り下げて見ていくと、視聴者数狙いのインパクト重視で中身があまり伴わないコンテンツ以外は、ちゃんとみんな内容が共通しています。
決して目新しいものではなく、「そりゃそうだよね」という内容。

ズバリそれは、
さぼらずやり続けること
手を使って書くこと
です。
面倒で、粘り強さが必要なためぱっと見今の時代に合っていないような印象を受けるのですが、結局真理はそういうことなんです。

確かに興味のある内容だったら、読むだけで頭に入ることもあると思います。
しかし、語彙に興味のある人なんて、物書きの人や国語に携わる我々のような人間以外はほぼ皆無(笑)。
だからこそ正攻法で語彙力を攻略する方法について、国語専門塾の立場と、科学的エビデンスを以ってお伝えしたいと思います。

「ペン先」が脳を強制起動させる~手は「露出した第二の脳」である~

国語の成績が伸び悩む生徒の多くに見られる共通点、それは「語彙学習を眺めるだけで済ませている」ことです。英単語でも漢字でも、ただ言葉を視覚的に追うだけの勉強は、脳にとって「受動的な作業」に過ぎません。これに対して、ペンを握り、自分の手で文字を書き記す行為は、脳科学の視点から見れば全く異なる次元の運動なんです。

人間の手、特に指先には膨大な数の末梢神経が集中しており、脳の広い範囲と直結しています。カナダの脳外科医ペンフィールドが作成した「ホムンクルス(脳の中のこびと)」の図を見れば一目瞭然ですが、脳の運動野や体性感覚野において、手が占める割合は驚くほど巨大です。つまり、手を動かすことは、脳の大部分を直接刺激しているのと同義なのです。これを「手は露出した脳である」「手は第二の脳」などと呼ぶ所以です。

脳には、網様体賦活系(RAS)という機能があります。
これは、今の自分に必要なものだけを瞬時に仕分ける、いわば高性能なフィルターのようなものです。
脳は、目や耳から入る情報すべてをインプットするとパンクしてしまうため、RASが大切と判断した情報だけ脳に送るのです。脳は毎日、目から入る膨大な視覚情報を処理していますが、そのほとんどを「不要なノイズ」として捨て去っています。
つまり、ただ眺めているだけの言葉は、脳にとって「景色の一部」として処理され、記憶のゴミ箱へ直行してしまうのです。
しかし、書き込み作業はRASに「これは生存に必要な、重要な情報だ」と認識を改めさせます。フィルターが書き換えられるのです。このことで、脳は学習モードへと切り替わり、言葉を深く受け入れる準備を整えるのです。

ペン先から伝わる振動が脳を覚醒させ、集中力のギアを一段引き上げる。
この「脳の強制起動」こそが、語彙習得における最初にして最大のハードルを越える鍵となります。

「視覚」+「運動」のデュアルエンコーディング~二重の楔を打ち込む~

語彙が定着しないと嘆く生徒に欠けているのは、情報の「多角的な入力」です。文字を目で追うだけの学習は、脳の視覚野という限定的なエリアしか使っていません。これは、試験本番の緊張感の中で「見たことはあるけれど思い出せない」という、最も悔しい事態を招きやすくなります。
そこで重要になるのが、専門用語でデュアルエンコーディング(二重符号化)と呼ばれるメカニズムなんです。

これは、ひとつの情報を「言葉(視覚・意味)」と「イメージや動き(運動)」の複数のルートで脳内に保存する手法です。手書きで語彙を覚える際、脳内では文字の形を捉える視覚情報に加え、ペンを動かす指の軌跡、筆圧、紙の質感といった「運動感覚」が同時に処理されます。つまり、一つの言葉に対して、脳の中に「視覚のインデックス」と「運動のインデックス」という二つの索引が作られるのです。

この二重のバックアップ体制が、記憶の強度を劇的に高めます。

例えば、記述解答で言葉に詰まったとき、「頭では思い出せないが、手を動かしてみたら自然と漢字が書けた」という経験はありませんか。
これは脳に刻まれた「運動記憶」が、視覚的な度忘れを補完した結果です。特に抽象的な概念語が多い現代文の語彙などは、意味を理解するだけでなく、その言葉を「自分の体の一部」として書き慣れておく必要があります。

また、手書きのプロセスには「声に出して読みながら書く」という聴覚の追加も容易です。視覚・運動・聴覚という三位一体の刺激を脳に送り込むことで、記憶の楔(くさび)は何倍も深く打ち込まれます。効率を求めてタイピングやアプリの選択問題だけで済ませようとする風潮がありますが、長期記憶としての定着率を考えるならば、アナログな「書き込み」に勝るショートカットは存在しないのです。

だからこそ、語彙力学習は「言葉も意味も全部書き出す、読む」ことが最も最強なんです。

「書くスピード」が思考を深くする~スロー学習の逆説的な効率性~

現代の学習環境はタイムパフォーマンスが重視されますよね。
ただし、こと語彙の習得に関しては、その便利さが仇となることがあります。スマホの画面をスクロールする速さや、キーボードを叩くスピードは、人間の「思考の熟成速度」を追い越してしまうからです。これに対し、手書きという行為には、物理的な「適度な遅さ」が伴います。
実は、この「あえて時間をかけること」こそが、語彙を深く血肉化するために不可欠なプロセスなんです。

ノルウェー科学技術大学(NTNU)の研究などでも、手書きをしている最中の脳は、タイピング時に比べてより複雑で広範囲なネットワークが活性化していることが証明されています。ペンを動かし、文字を構成する一画一画を丁寧に綴っていく数秒間。このわずかな時間の猶予こそが、脳がその言葉の意味を咀嚼し、既存の知識と結びつけるための「熟考の時間」を生み出します。

例えば、「乖離(かいり)」という言葉を覚える際、ただ眺めるだけなら0.1秒で終わります。しかし、その複雑な画数を指先に意識しながら書き写す間、脳内では「離れるという意味だな」「対義語は何だろう」「あの文章で使われていたな」といった連想が、無意識のうちに幾重にも重なります。この情報の重なりこそが、読解力に直結する「生きた語彙力」の正体です。パッパと表面を撫でるような学習では、言葉の芯まで熱が伝わりません。

て多くの生徒を見てきましたが、一見遠回りに見える「書き取り」を愚直に続けた生徒ほど、模試の後半で粘り強さを発揮します。彼らは単に言葉を知っているだけでなく、その言葉を使いこなすための「思考の土台」が手書きによって強固に築かれているからです。スピード重視の現代だからこそ、ペンを手に取り、一字一字に魂を込めて脳に刻み込む。

無駄とも思えるその時間が、志望校合格を引き寄せる確かな実力へと変わっていくのです。

 

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