さて、大学受験がほぼすべて終了しましたね。
当たり前ですが、4月から学年がひとつ上がります。
これまでになかった焦りが生じてくるのがこの時期の特徴でもあります。
「古文がまったく分からないままここまできてしまった…」
「現代文の偏差値が上がらないのに、共通テストで点数が取れるのか不安」
「古文の学習ってゼロから始めるとなると、どれくらい時間が必要なのかわからない」…
いろいろな悩みが出てくると思います。
まあ、これはまだ健全な悩みですが
「理系志望だから国語は共通テストのみ必要だけど、選択肢問題だからなんとかなりそう」
とか思っている方は危ないです。
というのも、大学受験に必要な学習は往々にして時間がかかります。
なかんずく現代文の学習はそうです。
国語の素養があったり、語彙力がとても高かったり、もともと論理的な思考が身に付いていれば、数ヶ月で実力がめきめき上がることもありますが、まずもってお伝えしたいのは、現代文の読解とは、膨大な語彙力を前提として、論説文や評論文での係り受け解析や照応解決、同義文判定などの表層読解に加え推論などの深層読解、小説では場面ごとの心理描写の読み取りなど多岐にわたります。
それらを学ぶ中で、論理的思考を身に付け、それを以ってまた読解の力を上げていくのです。
修英塾では、体験授業をされる際に、正しい訓練を続けたとしても成果を出すのに1年くらいは必要であることをお伝えしています。
個人的には、全科目中最も積み重ねの要素が大きいのが現代文だと思っています。
さて、今回のテーマは「共通テスト」。
一番多くの受験生が受験するこの試験は、偏差値帯がとても幅広くなるため、アドミッションポリシーに基づく一学校で出題される入試問題とは一線を画した特徴があります。
それらの攻略をするためにはただ漫然と問題集を解くのではなく、戦略的でなくてはなりません。今回は、大胆にも「共通テスト現代文で満点を取る」ための戦術を伝えていきたいと思います。
記述問題として解く
共通テスト現代文の大きな特徴として、「すべての答えが本文中にある」ことです。
国語が得意な子どもの中には「え?それ、どの学校でもそうじゃない?」と思う人がいるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか。
たしかに、本文にない言葉を補って解答を作るということはあまりありません。
そういう意味で、国語は「センス」や「直感」ではないと言えます。
しかし、難関私立大学の、特に小説においては、必ずしも明確に本文に書いていない深い心理描写を読み取って一番適切であろう言葉で答えるということが確かにあるのです。
ところが、共通テストはそれがありません。
小説であっても、です。
文中にある言葉で、的確に必要な言葉を紡いで答えにするという意味で、共通テスト以上に最適な題材はないと言っても過言ではありません。
ですから、それを逆手にとって読解力だけでなく、記述力の向上にも役立てる方法があります。
それは、「選択肢問題を記述問題として解く」ということです。
過去問を解くときに選択問題を記述問題として解いてみると読解力が身に付きます。
これを読んで「なるほど」と一発で分かった方、読解力があります(笑)
どういうことかと言うと、設問にたどりついたときにすぐ選択肢を見るのではなく、本文中にある解答に必要であろう言葉を探し出してチェックをするのです。
で、そのチェックした言葉を使って自分なりの解答を作成します。
このとき、記述しても良いですが時間がかかりそうであれば、頭の中でおおまかに解答記述文を作り上げます。その文章と酷似している選択肢を答えとして選ぶ、という訓練です。
…面倒くさいですよね💦
でも、覚えておいてください。
大切なことはだいたい面倒くさいものなのです。
普段からこういった練習をしていると、非常に記述力が高くなるだけでなく読解の力も上がります。
本気で共通テスト高得点を狙う場合は面倒でもやってみてください。
効果はてきめんです。
また、選択肢問題は、答えを出すだけでは訓練として不十分です。たくさんの知識人が受験生を悩ませるために作問しています。これを利用しない手はない。
解答以外の選択肢もすべて精読してどこが本文と違うのかを探してください。見つけたら、選択肢に線を引いて小さく✕を書きましょう。線は短ければ短いほど良いです。選択肢自体の文章全体が本文とずれている場合は、選択肢記号に✕をしましょう。この学習が必ずみなさんの血肉になります。
制限時間との闘い
上述の方法は、少し時間がかかるため、時間を計っての練習には少し不向きかもしれません。
タイムプレッシャーを克服する訓練は別メニューで取り組むと良いですね。
共通テストはとにかく文章量が多いため、過去問を解く時から時間を測りながら解くのが大前提です。
過去問で8割以上の高得点を取っている子でも、平均点が5点以上下がるような年の本番試験では、大幅に難しくなり、時間切れを起こすことがあります。
共通テストで問われるのは、「短い時間で精読し、正確に問いに答えられる情報処理能力」なのです。
そういう意味では、確実に得点が見込める古文漢文を先に解いてしまうのが得策です。
文章は、1回読んですぐに理解できなくとも、こらえて後ろを読むことが鉄則。
なぜなら、後ろにいけばいくほど結論に近づき、分かりやすい表現に変わっていくからです。
心情とそれが変化したポイントを必ずおさえる癖を持つ
これはそのままの意味になります。
小説では、場面が動いたところが問題になりやすい。だから、どこでそれが起こったかを把握すればそれだけで点につながります。
なぜか。
それは、「一場面一心情」が小説の原則だからです。
シンデレラ曲線というものがあります。
物語の心情の起伏をグラフのようにしたものです。
ほとんどの小説でこの上下する心情の線が底をつくと、そのあとは上がっていきます。
その底をついたところが、物語の大きく動く転換点(プロットポイント)になります。
転換点はもっとも重要であり、設問でも問われやすいということです。
ただし、あくまで客観的に読むことです。
主観で答えると、点数が安定しませんから。
文章の途中で設問を解く
ここで、共通テストの特徴として、「評論文は文章の途中で設問を解くことができる」というのがあります。
念のためですが、共通テスト以外では絶対にやってはいけませんよ。痛い目を見ます(笑)
これは読んで字のごとく文章を最後まで読まずに設問を解くことを意味します。
そうすると、じゃあどこまで読むの?と、なりますよね。
分かりやすい基準を作るなら、「傍線部の2~3段落後まで読んだら」設問を見ましょう。
共通テストは、文章全体の理解度を部分ごとに切り取って効果測定します。
したがって、最後まで読まなくても設問をどんどん解いていけるのです。これでかなりのタイムロスを防げます。
資料問題は15分確保する
資料問題は、多少の傾向の違いはあれ、たくさんの表から必要な情報だけを正しく取り出すスキルがいります。対策は過去問練習一択です。
気を付けなければならないのは、他の問題に時間を取られること。
どうしても現代文や古文漢文を優先してしまうため、資料問題は優先度が低くなってしまい、結局時間が足りなくなることが往々にしてあります。
あわせて資料問題は、脳が冷静でないと1問も解けなかったりします。
家に帰ってもう一度やってみたら余裕でできた!なんてことはざらです。
心に余裕がないことが資料問題を解く上で最大の敵になります。
資料問題は15分確保するようにして各ジャンルの時間配分を決めましょう。
漢字は同音異義語を重点的に対策を
共通テストの漢字は、なんらかの模擬試験データをもとに作っているのか、結構間違えやすい漢字を出します。普段の文章読解練習時から文章の中に出てくる漢字を覚えるようにしましょう。
と言っても、漢字は200点中たった10点です。
「直前期で間に合いますよね」と昔ある受験生に言われたことがあります。絶対ダメだと言ってやらせましたが、漢字はとても大切であることを改めて伝えたいと思います。
理由は「漢字をやれば他も点数が上がる」からです。
月並みな言い方ですが、1点が合否を左右することは疑いようのない事実ですよね。
だから、正解率が高くなりやすい漢字はぜひともやるべきなんです。
でもこの言葉、昔からですが受験生にあまり響かないんです。
表面的には納得している様子でも、その後の漢字学習を見てもあまり高いパフォーマンスを発揮しているとは言い難い子がほとんどです。
理由は簡単です。
1点が合否を左右するという実感がないからです。
例えば1点変わると順位が100位変わる、と言われても実際に経験していないとピンとこないのも無理はありません。これは意識の問題なので、正直どうしようもないです…。
実は漢字学習というのは出題されるものだけに効果を発揮するのではありません。現代文において語彙は絶対です。語彙力がなければ文章も読めません。漢字学習をすることによってこの問題を解決することができるのです。
漢字学習は語彙力向上に直結します。語彙力向上は間違いなく現代文偏差値向上につながります。
結局、地道だけど正しい努力をきちんとできた人が合格するのが入試なんです。
